クラミジア感染症

最近、クラミジア感染症が男性にも女性にも増加してきています。クラミジアは細菌にもウィルスにも属さないもので、最初は男性の非淋菌性尿道炎の原因として注目されました。クラミジアは性感染症の一つで女性にも感染症例が多いことが明らかになってきました。女性の場合、骨盤内の腹膜炎や子宮外妊娠の原因になったり、不妊症、流産の原因として重要な疾患になってきました。
女性の場合、最初は頚管炎(子宮の入り口の炎症)で始まりますが、症状を認めない患者さんが多いことが問題となります。しかし、感染後、時間がたち頚管から卵管へ広がり、さらに腹腔内に進むと、骨盤腹膜炎を起こすことにより下腹痛が出現してきます。

次にクラミジアによって引き起こされる疾患をあげます。

1.頚管炎
子宮の入り口の頚管という部分の炎症であり、帯下(おりもの)が増加することがありますが、多くの場合無症状です。しかし、この段階で治療しなければ、卵管や腹腔内へ炎症が波及してしまいます。

2.子宮附属器炎・骨盤腹膜炎
頚管炎の段階で治療がなされない時、卵管、卵巣周囲の炎症が生じ、さらに骨盤腹膜炎となります。この段階になって初めて下腹痛を認め、病院を訪れることがあります。

3.不妊症
前述の卵管炎や骨盤腹膜炎になると、卵管が閉塞したり、卵管周囲に癒着が生じ、不妊症を引き起こします。最近、子宮外妊娠の多くはクラミジア感染症が原因であることが報告されています。

4.羊膜炎・流産
妊娠している場合、羊膜の炎症を起こして破水してしまう結果、流産を引き起こすことも報告されています。

5.産道感染
分娩時、赤ちゃんが産道を通過する時、クラミジア感染があれば多くはありませんが新生児に結膜炎や肺炎を生じさせることがいわれています。前記の羊膜炎や産道感染による新生児への感染を考慮し、妊娠中にはクラミジアの検査を行うことが多くなりました。
診断は頚管からクラミジア抗原を検出することや血液の中の抗体の存在を検査し、クラミジア感染が起きているかを診断します。この抗体は治療を行い、治っているにもかかわらず、なかなか低下、陰性化しません。

治療はマクロライド系の抗生物質やニューキノロン系の抗菌剤を一般的に1週間使うことにより行います。クラミジアの場合、相手の方も検査を受け、陽性であれば治療しなければなりません。

クラミジアは先に述べましたように女性の場合は不妊症につながります。最初は症状を認めないことが多いのですが、おりものの増加や下腹痛がある場合は受診されることをお勧めします。