不正出血

時に生理以外に出血が認められることがあるという方がいると思います。これは煩わしいと思うのと同時に、何か異常でもあるのだろうかと考える方が多いと思います。年齢により、不正出血を起こす原因が異なります。

10代

10代ですとほとんど場合ホルモンの分泌異常による出血です。月に2度も3度も出血があり、どれが生理でどれが不正出血かわからないといって来院されるこ とがあります。これは卵巣の機能がまだ充分成熟していないため、ホルモンのバランス異常により出血してくるわけです。一般的に排卵がない周期が多く、その ため排卵周期に見られる黄体ホルモン分泌がなく、1種類の卵胞ホルモンしか分泌されないため、子宮内膜が早期に剥脱し出血してきます。排卵があっても黄体 ホルモン分泌不全の場合はやはり出血をきたします。

20代以上

20才以上の成熟婦人の場合は様々な原因が考えられます。まず妊娠可能な年齢では妊娠に関係した出血、例えば切迫流産なども考えておかなければなり ません。妊娠するはずはないと自信を持っている人でも意外と妊娠していることがあります。また、生理と生理の中間にかぎって出血してくる人もいます。これ はいわゆる中間期出血であり、排卵前後のホルモンの分泌の変化により子宮内膜が一部剥脱してくるものです。心配するものではありませんが、妊娠を希望して いる人はホルモン剤の服用を考えた方がよいでしょう。妊娠を希望しない人の場合は、その出血が気になるのであればホルモン治療を行った方がよいのですが、あ まり気にならなければそのまま様子を見ても問題はありません。
また、性交の時に出血する人もいます。これは子宮の頚部(入り口)にびらんがある場合に認められます。特にびらんに炎症が加わると出血しやすくなります。 このびらんは生理がある若い人であれば、5人に2-3人に認められるものですが、出血しやすいびらんの場合には性交の時に出血してくることがあります。問 題はこのびらんが悪性の場合です。びらんは肉眼で見ただけでは良性か悪性かは判断できないことが多く、細胞をとって検査をする、いわゆる細胞診(癌検診) をしなければなりません。最近はこの子宮の入り口の癌、子宮頚癌やその前癌状態が若い人にも多く見られるようになり、頚癌の若年化が注目されています。若 い人も異常出血を認めた場合は癌検診をうけて下さい。
また、子宮の頚部(入り口)や内膜のポリープなどでも出血してきますし、子宮筋腫がある場合では生理が長引いたり、量が多くなることがあります。
更年期ころではやはり無排卵、黄体機能不全などホルモン分泌異常により出血することが多くなります。月経周期も短くなり、頻回に出血することがあります。

閉経以後

閉経以後の少量の出血は腟炎のことが多いのですが、やはり癌の有無を診断しなければなりません。閉経後は子宮頚癌はもちろんのこと子宮体癌の可能性も出てきますので、頚部の癌検診だけでなく、体癌の細胞診も行わなければなりません。

以上のほかにも出血をきたす疾患はあります。自己判断せず、不正出血がみられたら産婦人科を受診していただきたいと思います。