避妊について  2.子宮内避妊器具(IUD)

通称リングと言われている子宮内避妊器具は英語ではIUD(Intrauterine Contraceptive Device)と呼ばれており、その形はいろいろあります。この避妊法は古代エジプト時代にラクダの避妊のためにラクダの子宮に石をつめたことから始まったといわれています。この方法がなぜ避妊効果があるのかはいまだに完全には解明されていません。
説としては1.子宮にものを入れるので受精卵が着床する部分が少なくなる。(しかし、子宮腔内を全部埋め尽くすわけではないので、この説がすべてとすると妊娠する可能性はかなり高いはず)2.子宮に異物を入れるため、拒絶反応としてリンパ球などが出てきて、精子や受精卵を攻撃して着床しずらくする。(実際、IUDを入れた子宮の組織を顕微鏡で観察すると、リンパ球が多く見られます。) 3.異物の存在により、子宮内膜の周期性変化が異常となり、着床に適さない内膜になる。(この説も一理あります) などがありますが、それぞれ一つだけで説明はできず、これらの説がすべてからんで避妊効果をあげていると考えられます。

現在のリングはループ状のものや魚の骨のような形をして、取り出しやすいように糸がついているのが主流となっていますが、リングといわれているようにリング状のものもあります。避妊効果を高めるため、銅線が付いたIUDも使用されています。

IUDの長所としては

  1. 一度挿入すると長期間にわたり避妊努力する必要がない。
  2. 排卵やホルモンに対する影響がない。
  3. 長期間使用できて、安価である。

短所としては

  1. 自然に脱出することがある。
  2. 挿入後、出血や下腹痛があることがある。
  3. 挿入後の月経時に月経血量が多くなることがある。また、月経痛が強くなることがある。

などがあげられます。

挿入する時期は生理終了ころ、少なくとも排卵前に挿入します。産後は産後2か月以降に、そして流産、中絶後は一度生理が来てからの方がよいです。挿入後はきちんと挿入されているか定期検診は必要です。

IUDの避妊効果は95-97%くらいとされています。ですから3-5%くらいの人はIUDを入れたまま妊娠することがありますので、生理が遅れている場合は妊娠の可能性もありますから検査を受けた方がよろしいと思います。
避妊効果がコンドームなどより高いのは経口避妊薬とIUDですが、経口避妊薬は避妊効果は極めて高いのですが、毎日服用しなければなりません。
一方、IUDは避妊薬より効果が落ちますが、一度挿入すると数年間放置してもよく、わずらわしさがないなどそれぞれ一長一短があります。
どちらの長所、短所をとるかは各人の好みになりますので、医師と相談の上決められたらよいと思います。