子宮頚癌の原因になるHPVに対するワクチン接種について
a. HPVワクチンの効果アメリカを始め、すでに世界では100以上の国でHPVワクチンは使用されています。そして、その効果も実証されています。現在発売されているワクチンは(日本では平成21年12月22日に発売されました)、発がん性のあるHPVの中でも感染の頻度が高いタイプ16と18に対するワクチンです。未感染の方への接種によりほぼ100%効果があります。欧米ではHPV16または18の陽性率は70%以上です。日本や韓国では約60%ですが、20-30歳代に限ると80%以上の陽性率になります。頚癌の若年化が進んでおり、今後、日本でも16/18の陽性頻度が高くなる可能性もあります。将来、このワクチンにより子宮頚癌の発生を約70%減少させることが期待されています。
ワクチン接種が開始されてまだ5-6年しか経過していませんので、予防期間に関する実績はありませんが、理論的には20年間以上は効果は持続すると考えられています。このワクチンを受ける方が多ければ日本でも子宮頚癌の減少は確実です。
b.11歳-14歳への接種が推奨されていますが45歳まで対象です。
このワクチンはすでに感染している人には効果はなく、治療効果のあるワクチンではありません。あくまでも予防するためのワクチンです。もし、すでにHPV16/18に感染している方にワクチンを接種しても問題はありませんが癌の予防にはなりません。
諸外国では、性行為が開始される年齢の前の少女がワクチン接種の対象となります。日本産婦人科学会では11歳-14歳を対象年齢としていますが、HPV16/18に感染していない人であれば、20歳でも30歳でも効果はあります。学会では45歳まで対象としています。ワクチンは原則として3回の接種が勧められています。3回接種した方が効果の持続が期待されるからです。費用は自費診療となり3回で計5万円程度です。ヨーロッパなど約30国では公費負担で行われていますが、日本も公費負担となることも期待したいと思います。子宮頚癌の治療費を考えると、予防ワクチン接種費用を公費にしても結果的には医療費削減になると思います。

