卵子と精子の話

卵子の話

最近、女性の晩婚化が進み、また、仕事を優先し、妊娠を遅らせる方も増えています。35歳以上になって、やっと妊娠を考え始めたという方もいます。しかし、女性の場合、年齢を重ねると妊娠率は低下してきます。特に35歳を過ぎると急激に低下し始め、40歳を超えると1年1年妊娠率は確実に低下していきます。妊娠率と一番相関するのはホルモン検査の値より年齢と言われています。
では、どうして加齢に伴い妊娠率は低下するのでしょう。それは卵子にその理由があります。卵子は母体の胎内にいる時につくられ、出生後どんどん自然消滅し、数は減って行きます。生涯、排卵される卵子の数は約400個程度ですので、その位の卵子の数があればいいと思われるかもしれませんが、実際は新生児の時には、卵子の元である原始卵胞が約200万個も卵巣に存在します。しかし、月経が開始する思春期のころには、まだ排卵がないにも関わらず、約20-30万個まで減少します。つまり、卵子は自然に消滅していくのです。35歳ころには、卵子の数は約2万5000個程度になり、閉経時には1000個ほどまで減少します。このように卵子の99.9%以上は自然消滅します。後述するように、精子は新たにつくられますが、卵子は新たにはつくられません。減る一方なのです。一度の月経周期で約1000個、一日にすると30-40個というスピードで減り続けると言われています。
一周期で10個以上の卵子に成長のスイッチが入りますが、その中で最もホルモンに反応が良かった一つの卵胞だけが主席卵胞になり、排卵され、残りは消滅します。スイッチが入らなかった卵胞も先に述べたように1000個程度/月は消えて行きます。
卵子の年齢は実際の年齢と同時に年をとって行きます。見た目に若い方も、元気な方も卵子は確実に年齢を重ねて行きます。また、実際の年齢以上に卵子の数が減っている方もいます。残っている卵子の数が多いか少ないかを知るためには抗ミューラー管ホルモンを測定すれば知ることができます。

精子の話

精子は精巣(睾丸)で造られます。卵子と異なり、精巣は新しい精子を一生つくり続けます。これは男子が産まれてくる時、新たに精子をつくる元の細胞を持って産まれてくるからです。一方、女性の場合、卵子は母親の胎内ですでに細胞分裂を起こし、少し成長した状態で出生しますので、生後、新たに卵子をつくることができません。卵子と精子はこの点が大きく異なります。つまり、卵子は出生後新たにつくられませんが、精子はどんどん新しい精子がつくられます。男性は高齢になっても妊娠させることができるのはこのためです。ただ、高齢になると精子の数は減ってきますが、女性が閉経近くなると排卵がなくなるように、精子が全くつくられなくなるということはありません。精子は新たにつくられ、射精の段階までに成長するのに70-80日ほどかかります。また、射精後5分ほどで卵管に達すると言われています。

まとめ

以上のように、卵子は精子と異なり、その数は年齢を重ねるにつれ、非常に多くの卵子が減少して行きます。芸能人や有名人が高齢で妊娠した記事を読むと、高齢でも妊娠することは難しくないと考えるかもしれません。若い時は毎回いい卵子が排卵されますが、加齢に伴い、排卵されても卵子の質は低下し、異常な卵子が排卵される確率が高くなるため、妊娠しにくくなります。体外受精をすれば、高齢でも妊娠すると思われている方もいますが、体外受精でも卵子の質は上がりませんので、高齢では妊娠率は低下します。35歳を過ぎて、6か月妊娠しなければ不妊症の検査をすべきとされています。妊娠するのは排卵日だけではなく、その数日前の性交でも妊娠は充分可能です。月経終了後から排卵日まで、週に2日程度の性交があれば、6か月以内には妊娠するはずですので、もし、それでも妊娠しない場合には検査を受けた方がいいと思います。