卵子の老化の原因は酸化ストレス

加齢と卵巣予備能・・日本産科婦人科学会誌 2014年

加齢による生殖機能の変化は下記の2つがあります。

1.卵子の数の減少

加齢により卵胞数が減少し、卵胞予備能は低下します。

予備能の低下により、卵胞発育に要する日数の短縮や遅延が認められます。つまり、月経開始から排卵までの日数が短縮したり、遅延するということです。卵胞の閉鎖が促進され、消費される卵胞の数が増加します。その結果、加速度的に卵子の量が減少していきます。

2.卵子の質の低下

卵子の質の低下には、酸化ストレスが関与しているとされています。なかでも活性酸素は環境因子のひとつとして老化の促進要因です。活性酸素により細胞構成成分の損傷が生じ、その結果、細胞機能低下が卵子においても同様に質の低下が生じます。

加齢は染色体の数的異常をもたらす重要な因子として知られていますが、活性酸素がきわめて重要な役割を演じていることは疑いはありません(Fertility&Sterilty 2015.103(2))。

特に、卵細胞因子として卵の成熟や初期胚発生に密接に関与するものとしてミトコンドリア紡錘糸があげられます。

少し難しくなりますが、ミトコンドリアは加齢によりその数は減少し、その結果エネルギーの元のATP産生量が減少します。酸化ストレスがミトコンドリアの質も低下を招き、ミトコンドリア機能不全によりエネルギー産生のATP供給が障害されます。ミトコンドリアはアミノ酸の合成にも関与している点からもミトコンドリアの機能低下は卵質の低下につながります。

紡錘糸は染色体の減数分裂を制御していますが、加齢に伴い紡錘体構造異常をきたし、そのことが染色体異常発生の一因となっています。

つまり、加齢によりミトコンドリアや紡錘糸の異常をきたし、その結果、卵の質の低下を招いているのです。この異常の原因は酸化ストレスとされています。そこでビタミンCやEなどの抗酸化剤を服用することで酸化ストレスを軽減させ卵の質の低下を抑制する試みもされています。